この仕事を始めたきっかけ

数年前、夫の祖父の介護をしていました。自分自身は身内だから介護するという感覚でしたが、色んな介護施設を利用させてもらう中で介護に携わる職員の方々が他人なのにご飯を介助したり、お風呂に入れてくれたり、下のお世話をしてくれていることにすごいなあと思っていました。その中で、利用している施設のケアマネの方に「介護の仕事に向いてるよ、目指すなら紹介するよ」と声をかけてもらったことがあります。しかし、その時は自分自身、子育てで忙しかったので、仕事にしてみようという気持ちにはなりませんでした。
数年経ち子育ても落ち着いてきたので、仕事を考えていたところ、求人誌に載っていた「じゃんけんぽん」という名前が目にとまりました。ホームページを見て、アットホームなところだという印象を受け、ここで働いてみたいと思いました。しかし、介護の資格もないし子どももいる中で急に資格をとるのも難しいかなという不安もあり、面接で、調理をしながら介護の勉強をしたいと相談させてもらい入職しました。

 

仕事のやりがい

自分自身、はじめは利用者さんとどう関わっていいのか分からずご挨拶程度でした。しかし、管理者の方に「どんどん関わっていいよ」と言ってもらってからは積極的に関わっています。利用者の皆さんが「おいしい」「もっと食べたい」と喜んでくれるのがとても嬉しいです。
今は、わたしも利用者さんの体調に合わせて「おかゆにしますか?」「少なめにしますか?」と聞きながら料理をするようにしています。本当は一食全部食べられれば一番ですが、体調に合わせて食べられるものを食べられるだけでも美味しく食べてもらいたいという気持ちで関わっています。
最近は、出勤したときに利用者さんの方から「岸さんこんにちは、よろしくね」と声をかけてくれるようになり、「もう少し小さくしてほしい」などの食事に対する意見も直接伝えてくれるようになり嬉しいです。

 

祖母の介助での声掛けにも変化

じゃんけんぽんで調理担当として勤めはじめてから、職員の方の利用者さんへの対応がとても勉強になっています。祖母の介護でイライラしても一呼吸おけるようになり、言い方ひとつで違うんだなと実感しています。
車での外出の時、「雨が降っているから車の中で待ってて」といっても、祖母は自分で行きたがっていました。これまでなら「待ってて」とイライラしてしまっていましたが、「そういう時は私に任せて、ありがとうでいいんじゃない?」と落ち着いて声をかけられるようになり、祖母も「そうかい、じゃあよろしくね」と言ってくれるようになりました。

 インタビュー 2020/10