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介護相談をする場所があれば、救われた命がある

 母親が看護師であり、人のためになる仕事に就きたいと思っていました。高校卒業時に福祉には興味がありましたが、福祉系の大学入試に失敗。大学卒業後は、サービス業に就職しました。退職後、ヘルパー講習を受講し、資格を活かし福祉の仕事に就きたいと考えるようになりました。ヘルパー講習受講中の2006年2月に「伏見介護殺人事件」が起きました。認知症介護に疲れた息子が認知症の母親の首を絞めて殺害し、自身も自殺を図ろうとした事件でした。その事件を見ていて、気軽に誰かに介護や認知症の相談ができる場所があれば、このような事件が起きなかったのではないかと感じ、福祉の道に進むことを決めました。現在、素晴らしいスタッフにも恵まれ介護の仕事にやりがいを感じています。

介護に方程式はない。今一瞬のための仕事

 ご利用者さんとの関わりの中で答えのない仕事だと実感しています。介護の仕事は●●というケアをしたから××という答えが返ってくる「方程式」のようなものではありません。ご利用者がどのような方なのかということを十分に知ったうえで、どのような働きかけをすると、どのようなリアクションがあるのか。それをスタッフ間で共有しながら、一番良い方策を皆で考える仕事です。明日、1か月後亡くなってしまうかもしれないその方の「今一瞬」のために仕事をしています。また、ご利用者さんのために仕事をしているということは勿論ですが、ご利用者さんのご家族のためにも仕事をしています。グループホームは在宅での介護が難しくなった高齢者が入所しています。認知症のご利用者さんがグループホームに入所することはご家族を介護から解放し、心のゆとりを生みます。時間の経過とともに、ご家族の顔が穏やかになっていくことを実感することも仕事の原動力にもなります。

人生の先輩の人生に一瞬でも関わることができる素晴らしさ

 ご利用者さんは、何十年と生きている人生の先輩。この先何年生きられるか分かりませんが、その人の人生に一瞬でも関わることができる素晴らしさを感じることのできるのが介護の仕事です。いい意味でも悪い意味でも人が一緒に居れば影響をし合います。ご利用者にとっても、介護者にとってもお互いの人生に意味のある存在になり得ますし、自分の存在意義を実感できるのが介護の仕事だと思います。介護は、ご利用者さんを知るところから始まります。だからこそ、ご利用者、スタッフ間でのコミュニケーションを大切にしています。介護の仕事はチームプレイであり、自分一人ではありません。チームでご利用者を考えるのが介護だと思います。