事務局/配食サービス
介護福祉士 飯塚とし子

新しいことも「できることから」挑戦

介護とは関係のない仕事をしていましたが、子どもの年齢とともに経済的にもう少し働きたいということと、親の年を考えてこれから介護が必要になるかもしれないと思い、介護の仕事を始めました。家の方が忙しい時には現場を離れていましたが、ひと段落したときにまた介護の仕事がしたいと思い、じゃんけんぽんに介護職として入社しました。しかし、私生活でケガをして入院することになり、現場から離れている間に自分の体がこんなにもろくなっていたのかとショックを受けました。介護の仕事はすぐには難しいため辞めさせてもらおうと思っていましたが、事務局の配食の仕事を勧められました。事務の仕事に自信はなかったものの、「できることからで大丈夫」という言葉を受け、新しいことに挑戦する思いで取り組み始め、今では近隣大家族が私自身の居場所になっています。

違う角度から高齢者の方を支えられるのが、ありがたい

私は介護の現場が好きだったのですが、現場で働くことが難しい身であっても、高齢者の方を支える仕事に携われるのはありがたいことだと思います。この仕事をしながら、ご自宅で暮らしている高齢者の方の中には配食サービスを必要としている方がたくさんいらっしゃることに気づかされました。利用者さんが配達ボランティアさんとのふれあいを喜んでくれて、お弁当を食べて元気になってくれていると思うと、これも広い意味では介護と考えることもできます。現場で介護職としてバリバリ働くことはできませんが、これまでとは違った角度からでもお役に立てているという喜びを感じています。

関わるみなさんと、「気持ち」の分かちあい

配食サービスは管理栄養士さんがメニューを考え、キッチンパートさん・ボランティアさんが食事を作り、配達ボランティアさんが利用者さんのご自宅まで届ける、という一連の流れになっています。私はそのつなぎ役をしていますが、多くの方々と関わりながら目には見えない思いやり、いたわり、気遣いなどの「気持ち」の部分を一番大事にしたいと思っています。配達ボランティアさんがお弁当を届けるときに、利用者さんの見守りや声かけを心がけていただいていますが、「気持ち」が伝わると、逆に利用者さんの方から感謝やいたわりの言葉が返ってきます。ボランティアさんは、そういうところでやりがいを感じたり、役に立っていると自覚したりして、暑い日も寒い日も雨の日も続けてくださるのだと思います。配食サービスに関わっているボランティアの方々と、「気持ち」を分かちあい、伝えあいながら利用者さんを支えられるのは嬉しく感じます。これは介護業務ではなく、この仕事だからこそ感じられることだと思いますし、それが自分にとって宝になっています。

インタビュー 2017/9