小規模多機能の家じゃんけんぽん棟高
ぐんま認定介護福祉士/認知症ケア専門士 小泉 晴香

先輩の言葉と利用者さんの姿に助けられて

専門学校を卒業後、小規模多機能の家じゃんけんぽん国府に就職して8年経過し、棟高の立ち上げメンバーとして今の事業所に移りました。大変なこともありますが、他の職員からのフォローや、自分のちょっとした行動に喜んでくれる利用者さんの笑顔が嬉しく、そのような経験の積み重ねでこの仕事を続けられているのだと感じます。働き始めて独り立ちしたばかりのころ、利用者さんがご自宅のベッドから転倒してしまい、病院で亡くなられるということがありました。ご自宅では私にできる最善を尽くしましたが、もっとできたことがあったんじゃないか、自分のやり方で良かったのかと葛藤する気持ちで沈んでいたところ、管理者や先輩が声をかけてくれたり話を聞いてくれたことで、元気を取り戻すことができました。

利用者さんを通じて、様々な人とのコミュニケーションの大切さを実感

私自身人見知りなので、初めて来る利用者さんが緊張してしまう気持ちがよくわかります。だからこそ、ここにいても家にいるような安心感や、来てよかったと思ってもらえるようにと心がけています。小規模多機能型居宅介護は在宅支援です。通いサービスの利用日は、事業所での過ごし方が、ご自宅に帰られてからも気持ちよく過ごせるかを左右するものと考えて関わらせていただいています。そのため、落ちついて楽しく過ごす環境を事業所で作り、ご自宅でも継続してもらえるように、送迎や訪問の時にご家族や近所の方に利用者さんの様子を伝えることもあります。そのような地域の中でのコミュニケーションは、逆に自分が知らない利用者さんの一面を知る楽しい時間にもなっています。地域の方たちにも、利用者さんのことを「病気を持ってる人」ではなく「近所に住んでる〇〇さん」と認識してもらえる繋がりづくりを大切にしています。

“ぬくもり”を大事に。介護の仕事を続けていこう

介護の仕事は、これからも続けていこうと思っています。モチベーションになっているのは、利用者さんの緊張がほぐれて安心した表情や、コミュニケーションをとるうちに「あなたなら」「ここんちだから」と言ってもらえるようになることです。まだまだ勉強中の身ですが、介護現場では人としての“ぬくもり”が大事だと感じています。技術ももちろん大事ですが、温かい気持ちがなければそれを生かすことはできません。利用者さんのそれまでの歴史をよく知って、良いところを見つけて、寄り添うことを大切にしていきたいと思います。

インタビュー  2017/6