看護小規模多機能の家じゃんけんぽん金井淵
社会福祉士/介護福祉士 島影 裕二

人の役に立ちたい

高校卒業後、「何か人の役に立つことのできる仕事につきたい」と思い、福祉系の大学に進学しました。はじめは、高齢者福祉という方向に進むことは考えていませんでした。私自身、祖父祖母が小さい頃に亡くなり、おじいちゃん、おばあちゃん子であったわけでもありません。そのため、高齢者と関わる機会も多くはありませんでした。しかし、大学の実習等が高齢者施設となることも多く、実習をしているうちに、「奥が深い」「新鮮な世界だ」と実感するようになりました。お年寄りと関わっているときは居心地がよく、将来、高齢者と関わることのできる仕事に就きたいと思い、介護の仕事を目指すようになりました。

非言語のコミュニケーションが心を通わせる

今では、高齢者の方と話をすることも、仕事も好きですが、仕事を始めた頃は、口下手な性格もあり、お話しをするのが苦手で、「いいお天気ですね」などありきたりなお話しをすることしかできませんでした。また、ご利用者さんとなかなか心が通わず、毎日のように罵声を浴びせられるようなこともあり、悩みました。先輩職員を見習って、自分なりに自分の介護を見直しましたが、同じようにうまくはいきませんでした。しかし、就職してからご利用者さんと関わっていく中で、「アイコンタクト」「ジェスチャー」等言葉以外のコミュニケーションの大切さを実感し、心が通い始めると、一番私に対して当たりの強かったご利用者さんが名前を憶えて下さり、信頼してくれ、自分の事を頼ってくれるようになりました。嬉しかったことを覚えています。

ご利用者さんが自分の鏡

認知症の方と関わっている中で、認知症ケアの奥深さを実感します。自分の関わり方でご利用者さんの反応が変わります。例えば、自分がいらいらした気持ちで仕事をしていると雰囲気もご利用者さんに伝わり、不安になられたり、そわそわされたりします。一方で、自分の心に余裕をもって仕事をしていると不安で落ち着かなかったご利用者さんも自然と穏やかになり、笑って、「ありがとう」と言ってくださったりします。自分の行動ひとつで利用者さんの生活が「楽しく」も「つまらなく」も「いやな気持ち」にもなり得るということを日々実感しています。ご利用者さんには笑顔で楽しく生活をして頂きたいので、自分の気持ちに余裕をもって関われるように心がけています。自分の内面の鏡を見ているかのようだからこそ、自分磨きも続けていきたいと思います。

 

インタビュー 2015.2.