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宿直の母にご飯を届けたことが看護の道を目指したきっかけ

 母親が看護師をしており勤務している病院が自宅の隣でした。母親が宿直の際にご飯を作ってもっていく機会が多く、自然に看護の仕事を目指すようになりました。中学・高校時まで、看護師になりたいという夢は変わりませんでした。高校3年生のころに母方の祖母が、病院で亡くなりましたが、亡くなる直前まで、「家に帰りたい」と言っていたことが心に残っていました。私が高齢者看護の分野をすることで、力になりたいと思い、高齢者看護の分野に進むことに決めました。大学卒業後、働き始めたところが脳神経外科で、高齢者が多く、自然な関わりを持つことができ、大学院卒業後、じゃんけんぽんに入社しました。

ご利用者さんの生活に密着しながら「その人らしさ」を支援する

 ご利用者さんが先輩だということで学ぶことが多い仕事です。「訪問時に玄関に入って、しゃがむことが身体的に難しい方が、靴を揃える姿」「転びそうなのに人を招き入れようとする姿」をみると、教えられることが多く、さすがだなと感心させられます。病院勤務では、入院時から患者さんの経過を見ていくことになり、その方の生活を意識することはあまりありませんでした。しかし今の仕事では、起床から就寝、食事・排泄に至るまで生活すべてに関わっていきます。ご利用者さんそれぞれによって生活スタイルは異なります。就寝を例にとっても、寝る場所や寝方まで異なります。「家でどんな風に寝ているんだろう」「どういう風にトイレにいくのだろうか」と日々の生活を見て、考えることで少しその方に近づくことができます。ご利用者さんの「その人らしさ」を垣間見ながら、看護師として「頼られる存在」となれるよう日々仕事に取り組んでいます。

「医療と家族との間の架け橋」となれる仕事

 緊急入院や救急車で急遽病院に行くことになり、医師からの情報をご家族に噛み砕きながらご説明をする機会があります。「私一人だったら、どうすればよいか分かりませんでした」とご家族からお話を頂くと、看護師で良かったと改めて感じます。この仕事は「医療と家族との間の架け橋」となれる仕事です。「人対人の仕事」になるので医療や介護の知識があるに越したことはありませんが、ご利用者さんがどういうことを望んでいるのか、今までの人生をどういう風に過ごしてきたのかという部分に視点を向けられる方であれば、誰でもできる仕事だと思います。病院も必要ですが、時代の流れが在宅看護に向かっている中で、在宅に帰ってきてから生活する時間も長いので、在宅看護や介護は非常に重要な役割を担うようになります。ぜひ看護師の資格をお持ちの方に病院ではないところにも目を向けてみてほしいと思います。