事務局/ふれあいの居場所近隣大家族
介護福祉士/介護支援専門員 佐塚 顕子
認知症ケアに携わり、自分の人生も豊かに
短大を卒業した後は身体障害者療養施設に勤め、その後じゃんけんぽんで介護職やケアマネージャーとして働き、現在は事務局で主にインフォーマル業務を担当しています。これまでの経験の中でも、認知症ケアに携われたことが自分の人生をより豊かにしたと思います。私は気が短く、すぐに利用者さんを手助けしたくなってしまいますが、ご本人の行動の意図を知って尊重するためには、待って見守ることが重要なのだと学びました。その後子育てをするようになった時に、子どもがしたいことを待ってあげられるようになり、仕事をする中で身についたことが自分の生活にもつながっていると実感しました。また、もとは人とコミュニケーションを取ることに苦手意識を持っていましたが、自分の気持ちを行動にのせれば言葉がなくても想いが伝わるという体験を繰り返すうちに克服することができました。利用者さんに育てられてきたという感覚で、頭が上がらない思いです。
つながりを作り、地域全体を元気にする仕事
現場にいたころは、自分が利用者さんから必要とされ「ありがとう」とか「いてくれてよかった」という言葉を聞くとやりがいを感じていました。現在は、ふれあいの居場所での仕事をしながら地域のつながりが重要だと身をもって感じており、それぞれが抱えている問題をどうやったら解決できるかと真剣に考え、ご本人も前向きになってきた姿を見るとやっていて良かったなと思います。地域全体で元気になってほしいので「ここに来るから元気でいられるよ」と言われると、少しずつでも役に立てているのかなと嬉しく、こちらが元気をもらうようです。介護現場では、「個に寄り添う」面がより強いのですが、現在は全体を見て、地域の中で横のつながりを作るのに自分がどう介入したらうまくいくのかと考えるところに、おもしろさを感じます。
理念を曲げず、まじめに取り組み続ける法人
じゃんけんぽんとして、ごまかしや偽りをせず、理念を曲げずに20年間これが大事だと信じてまじめに取り組み続けているのがいいところだと思います。若い頃は、その時やっていることの意味が理解できず、内心では納得いかないということもありましたが、長く携わって年を重ねていくうちにその意味を理解できるようになりました。今はまだ分からないことも、必要としている人の視点に立ったり、それが見えている人の立場に立ったりすれば分かる時が来るのだと思います。
仕事と子育てと、働き方の配慮をいただきながらも大変さを感じることはありますが、「振り返ればそういう時期が一番良かったよ」と周りから言われ、多くの人から必要とされている今が幸せだと思って頑張っているところです。
インタビュー 2017/9